ばね指(弾発指)について 指がカックン
手の指を曲げると「カックン」とバネのようになる。
この症状がある方、それは「ばね指(弾発指)」かもしれません。
○ばね指(弾発指)とは
ばね指とは、手の指で起こる腱鞘炎ことで、指の曲げ伸ばしで、指が曲がったまま、もしくは引っかかる状態のことをいいます。
「カックン」とバネの現象のように伸びたり曲がったりすることから「ばね指」と呼ばれ、別名「弾発指」とも呼ばれています。
指を曲げる腱の周囲には、「滑膜性腱鞘」と呼ばれる鞘があります。
これは指を曲げる際に、腱がスムーズに滑走することを助けています。
さらに、指の腹側に「靭帯性腱鞘」と呼ばれるトンネルがあります。
通常は、そのトンネルの中を「滑膜性腱鞘」が通過することにより、スムーズな指の動きができるのですが、指の使い過ぎなどにより、「靭帯性腱鞘」が腫れ、トンネルが狭くなります。
狭くなると、腱鞘の中を腱がスムーズに移動できなくなるので、ばね指の症状が起こります。
○症状
ばね指は親指・中指・薬指・人さし指・小指の順に発症しやすく、症状は、おおよそ三段階に分けることができます。
段階が進むにつれて、治るのにも時間がかかります。
●第一段階
・指の付け根に違和感がある。
・指を動かすときのみ痛みが出る。
・指の曲げ伸ばしをすると、微弱ながらカクンとする。
・指の付け根に少し腫れがある。
●第二段階
・指の関節の痛みがやや強い。
・曲げた指が戻りづらい。
・指の付け根周囲にやや強い痛み。
・指の曲げ伸ばしをするとカクンとなる。
・寝起き時に痛みやバネ現象が起こる。
・指の付け根の腫れが目立ち、押すと痛む。
●第三段階
・指の曲げ伸ばしが全く出来ない
・自力での指を動かすことが出来ない
・無理に動かすと激痛が走る
・指の付け根の筋肉が萎縮している。
○原因
ドケルバン病など、他の腱鞘炎と共通していますが、仕事や運動などで、指を頻繁に使い、酷使する人がなる傾向があります。
中高年期を迎えた女性や、妊娠初期、産後の女性に発症することが多いことから、女性ホルモン(エストロゲンなど)との関係があるという説もあり、他には、糖尿病、リウマチ、透析をしている方にもよくみられます。
○現代医学的治療法
現代医学では、テーピングなどによる固定、消炎鎮痛剤やビタミン剤など飲み薬、湿布薬、腱鞘内ステロイド注射などがあり、症状に改善が見られない場合は手術をすることもあります。
○伝統鍼灸医学では
東洋医学の考え方のひとつに、
五臓(肝・心・脾・肺・腎)の調和
があります。
五臓は、異なる働きを持っていて、連係し、制約し、助け合いながら、生命を維持する為に必要な基本物質である「気」や「血」「津液」「精」をつくり、全身に送っています。
この五臓の中の「肝」は、ばね指(弾発指)と深く関わっています。
この「肝」の生理機能のひとつに、「筋(腱・靭帯・筋膜・筋組織)を栄養する」というのがあります。
睡眠不足やストレスを溜め込んだり、カラダを酷使するなど、何らかの原因で「肝」の機能が衰えると、筋を栄養することができなくなり、筋肉に痛みや痙攣などが起こります。
また「肝」は「血」との関わりがあるため、女性ホルモンとの関係も考えられます。
鍼灸院・至では、ばね指に対する治療とともに、この「肝」の力を補い、五臓のバランスを調和し、自分で治そうとするである自己治癒力を高める、全身治療をしています。
五臓の調和がとれることにより、主訴である「ばね指」以外の症状への効果や、再発の予防を期待できます。
ばね指(弾発指)でお困りでしたら、鍼灸治療を受けてみてはいかがでしょうか。
鍼灸院・至
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住所:神奈川県川崎市多摩区生田8-8-9
光シャンブル生田1F
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