熱中症について 夏バテ
二十四節気では大暑に入ったものの、涼しくて過ごしやすい日がつづいていますね。
今回はこれから増えるであろう「熱中症」について載せたいと思います。
○熱中症とは
熱中症とは、室温や気温が高い中での作業や運動により、体内の水分や塩分(ナトリウム)などのバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、体温上昇、めまい、体がだるい、ひどいときにはけいれんや意識の異常など、様々な症状をおこす病気のことをいいます。
テレビの報道でもあるように家の中でじっとしていても熱中症になる場合があるので注意することが大切です。
○熱中症には4種類ある
熱中症には4種類あります。
以下説明になります。
1.熱失神
熱を体外に逃そうとして皮膚の血管が広がり、その分脳への血流が減ることによって起こります。
症状は、めまい・冷や汗・一過性の意識障害など。
2.熱けいれん
汗をかいた時に、塩分補給をせず水分だけ取ったため、血液の塩分濃度が低下することによって起きます。
症状は、手足のけいれん・筋肉痛・足がつるなど。
3.熱疲労
大量の汗をかいているのに水分補給ができないことによって起こります。
症状は、全身の倦怠感・吐き気・嘔吐・頭痛など。体温は40℃以下。
4.熱射病
脱水症状の悪化や体温調節機能が働かないためによって起こります。
症状は、発汗停止・意識障害・全身の臓器の障害。体温は40℃以上。
熱射病は死に至ることもある危険な状態で、熱疲労は熱射病一歩手前とされています。
熱失神・熱けいれんの時点で早めの対応が必要です。
早急な手当てが必要になるため、熱疲労、熱射病が疑われた場合には救急車を呼ぶことをおすすめします。
○熱中症だと思ったら
ここでは熱中症の一般的な対応の仕方を説明します。
・涼しい場所に移動する
建物が近くにない場所にいる場合、木陰に移動します。
建物があるなら、エアコンが効いた屋内に入りましょう。
・衣服を緩める
服を緩めて風通しを良くします。
楽な状態になるようにベルトやバンドは緩めましょう。
・身体を冷やす
タオルを濡らして顔や手足に当てたり、うちわなどで扇いだりして身体を冷やしましょう。
首、腋窩(腋の下)、鼠径(足の付け根)には大きな動脈があり、ここを冷やすと体温を下げることができます。
保冷剤など冷やせる物があれば、ここに挟んで体温を下げてあげましょう。
・水分を補給する
汗が大量に出ている場合は、水だけ補給すると低ナトリウム血症になり、けいれんが起きる場合があります。
できるだけ、塩分も入ったものを飲みましょう。
市販のスポーツドリンクや経口補水液などで構いません。
○伝統医学では
伝統医学では熱中症のことを傷暑(しょうしょ)といいます。
傷暑には大きく分けて陰と陽の2種類があります。
他にもあるのですが、長くなってしまうので、ここではこの2種類を説明したいと思います。
・陽暑(ようしょ)
夏期の炎熱のなかで労働したり動き回り、暑熱を感受して発生する病のことをいいます。
主な症状は、頭痛・高熱・口が渇く・大量の汗・呼吸促迫・手足をばたつかせる・口渇などがみられます。
・陰暑(いんしょ)
夏の炎熱時に納涼したり冷たい飲物をやたらに飲んだために発生する病。暑い時期に寒冷により発病するので陰暑といいます。
主な症状は発熱・頭痛・悪寒・汗は出ない・全身がだるく痛む・倦怠感などで、腹が脹る・腹痛・嘔吐・下痢などを伴うこともあります。
見て分かるように、どちらも発熱という症状を伴うのですが、原因をみると陽暑は、「熱」、陰暑は「冷え」である事に気づくかと思います。
原因が「熱」なのか。それとも「冷え」なのかによって、対処法が変わります。
「熱」である場合は、上記に載せたように冷やさなければいけません。
しかし、「冷え」による熱中症の場合は、むしろ温めることにより、回復することできます。
温める際には、おへそを温めると良いです。
(当院では、おへそにお灸をします。)
もし、この対応を間違えてしまうと、カラダの元気が損なわれ、体調を悪化させてしまう恐れがあります。
熱中症かなと思ったら、何でもかんでも冷やすのではなく、冷やすのか温めるのか冷静に判断して対応することが大切ですね。
もちろん鍼灸治療も熱中症の対応ができます。(意識障害を除く)
「熱中症かな?」と思ったときや、「夏バテかな?」と、感じた時は、ぜひ鍼灸治療をお試しください。
鍼灸治療を受けてからゆっくり休めば、早期の体力回復が期待できます。
鍼灸院・至
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光シャンブル生田1F
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