風邪、かぜ症候群、感冒症状、インフルエンザについて
鍼灸治療で「風邪」の施術ができることはご存知でしょうか?
「えっ、風邪に対して鍼灸治療なんてできるの?」と、思われた方の為に、今回は、東洋医学における「風邪」ついて、お伝えします。
東洋医学では、風邪の原因は弱った体に「寒邪」といわれる冷えの邪気が体に入り込んでなるとされています。
『傷寒論(しょうかんろん)』という1,800年前位前の医学書には、この「寒邪(かんじゃ)」がどこまで深く入り込んでいるかを、六段階に分けて説明されています。
第一段階:悪寒(あるは悪風)、発熱、頭痛、項(うなじ)が強ばるなど。
第二段階:腹満痛し食欲不振。高熱自汗。とくに夕方になると高熱になる。悪熱。便秘、譫語(うわごと)など。
第三段階:悪寒、悪熱。熱くなったり寒くなったりくるくる変わっていく。目眩(めまい)、耳鳴り、口が苦いなど。
第四段階:腹満し時々痛みあり。嘔吐、下痢。下痢は水のような便が出る。熱はないけど、無気力になって物が食べられない。動く気力がないなど。
第五段階:ますます元気がなくなり、臥床してうつらうつらしているなど。
第六段階:顔色は赤みがかっているが、下半身は冷え、咽が乾き、胸が熱く、空腹だが飲食できないなど。
また、『傷寒論』には、こういうときには、こういう治療をしなさいと載っています。
例えば第一段階では、発汗させなさい。第二段階になると、便通をよくしなさい。ひどいようだと下痢するようにとも記載されています。
東洋医学では、望(みる)、聞(聴く、嗅ぐ)、問(問いかける)、切(触れる)の四診を用いて、現在どの段階なのかを見極めます。
そして、その段階に合った治療(漢方薬の処方や鍼やお灸など)をしていくのです。
よく「風邪を引いたら葛根湯」なんていう話がありますが、「葛根湯を飲んでも効かない」という人がいます。
それは、葛根湯に罪があるのではなく、飲む時期を外している可能性があるからです。
葛根湯が効果を発揮するのは、第一段階から第二段階です。
寒気がしたり、項(うなじ)あたりに強ばりを感じた時に飲むのがベストなのです。
そういうわけで、東洋医学には風邪を徹底した考え方で治す術があります。インフルエンザであろうと同じです。
では、現代医学ではどうでしょう。
主に原因はインフルエンザ、ライノウィルス、RSウィルス、アデノウィルスなどのウィルスが原因とされています。
治療方法は・対処療法(安静、栄養補給、解熱鎮痛、消炎薬、鎮咳薬、去痰薬)・抗菌薬であり、主に対処療法になります。
抗生物質が出されることもありますが、抗生物質は菌に効くものであり、ウィルスには効果が期待できません。細菌による二次感染の為であり、風邪を治すものではないようです。
一般的にドラックストアなどで販売している「風邪薬」は、、風邪の症状を緩和するための薬であって、治す為の薬ではないのです。
効能の欄を見ても風邪を治すとは書かれていないんですね。
当院では、四診を用いることはもちろん、とくに脈診に力を入れています。
脈診で、どの段階なのかを見極め、鍼と灸を用いてツボを刺激することにより、崩れた体のバランスを整え、失われていた本来の働きを取り戻す施術をします。
風邪を引いた、もしくはなかなか治らなくて困っている方は、ぜひ東洋医学による鍼灸治療をお試しください。
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鍼灸院・至
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