水から学ぶこと
春らしくなってきたなぁと思っていたら、今日は雨でさらに最高気温が5℃。
カラダに堪える寒さですね。
今回は、「雨」→「水」ということから、「水」に関することを取り上げたいと思います。
早速ですが、「上善如水(じょうぜんみずのごとし)」という言葉は聞いたことありますか?
日本酒の銘柄にもなっている言葉なので、お酒好きな方なら一度は耳にしたことがあると思います。
この「上善如水」という言葉、知っている方もいらっしゃると思いますが、『老子』(別名『道徳経』)の第八章に記載されています。
今回は、その『老子』を引用して説明したいと思います。
以下は『老子』の第八章になります。
原文
「上善若水。水善利萬物,而不爭。處衆人之所惡,故幾於道。居善地,心善淵,與善仁,言善信,政善治,事善能,動善時。夫唯不爭,故無尤。」
書き下し
「上善は水の若し。水は善く万物を利して、争わず。衆人の悪む所に処る、故に道に幾し。
居は地を善しとし、心は淵を善しとし、与るは仁を善しとし、政は治を善しとし、事は能を善しとし、動は時を善しとす。
夫れ唯だ争わず、故に尤無し。」
現代語訳
「最も善なるあり方は水のようなもの。水は生命の生長を助け、争うこともなく、多くの人が嫌がるような低い所に落ち着く。だから道に近い。
身の置き所は水のように低い所がよく、心の持ち方は静かで深いのがよく、人間関係は思いやりを持つのがよく、言葉は真であるのがよく、政治はよく治まるのがよく、物事を成りゆきに任せるのがよく、行動は時期を得るのがよい。
そもそも全ての物事に対して争うことがないので、間違いもないのです。」
老子は、「上善」とは、最も理想的な生き方を指し、そういう生き方をしたければ、「水」に学べと説いています。
では、「水」とはどういったものなのでしょうか。
「水」は極めて柔軟であり、どんな形の器にも逆らわずに、器なりに形を変えていく。
「水」はまことに謙虚であり、自分を主張することなく、自然に低い所に流れていく。
「水」は静かな流れの中にも巨大なエネルギーを秘めている。
上記の3つのような事が挙げられると思います。
柔軟さ、謙虚さ、秘めたるエネルギー。この3つを身につければ、人間も理想の生き方に近づくことができるということですね。
老子は厳しい時代を生き抜く中で、水に理想の生き方を見つけたのでしょう。
水のように柔軟な気持ち、謙虚な気持ちを持ち事が大切ですね。
鍼灸院・至
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