不眠症について 眠れない 疲れが取れない
○不眠症とは
不眠症とは、夜寝ようと思ってもなかなか寝つけない、眠ってもすぐに目が覚めてしまう、眠りが浅く十分眠った感じがしないなどの状態をいいます。
睡眠が上手に取れないと、脳の働きが悪くなるので、日中に眠気に襲われたり、集中できなかったり、疲れが取れなかったりと、様々な不調が起きます。
また、休息している時、リラックスしている時、眠っている時に働く、「副交感神経」より、活動している時、緊張している時、ストレスを感じている時に働く「交感神経」が優位になる為、カラダの活動を支えている自律神経が乱れます。
その為、イライラしたり落ち込んだりと精神的に不安定になったり、高血圧症、糖尿病、脳血管障害、悪性腫瘍等、病気の原因になることも考えられます。
○不眠症の種類
不眠症には、
【入眠障害】、【中途覚醒】、【早朝覚醒】、【熟眠障害】
があります。
【入眠障害】
・寝付くまでに30分から1時間かかるタイプ
【中途覚醒】
・眠りについても途中に何度も目が覚めて熟睡できないタイプ。
【早朝覚醒】
・希望とする時刻よりも早く目が覚め、再び眠ろうとしても、眠りにつくことができないタイプ。
【熟眠障害】
・寝つき良し。睡眠時間良し。しかし熟睡感がなくて朝の目覚めがつらく、起きてもぐっすり寝た感じがしないタイプ。
○不眠症の原因
不眠症の原因には、
【心理的】・【身体的】・【精神医学的】・【薬理学的】・【環境】
などが、原因としてあります。
【心理的原因】
・悩みや不安、イライラなどストレスによるもの。
・昼間の興奮状態が続いているもの。
【身体的原因】
・怪我や病気の痛みによるもの。
・喘息など咳き込むことによるもの。
・肌の乾燥やじんましん、アレルギーなど痒みによるもの。
・年齢や病気によってトイレが近いためになるもの。
【精神医学的原因】
・うつ病や自律神経失調症などによるもの。
【薬理学的原因】
・カフェイン、アルコール、ニコチン、併用している薬などの影響によるもの。
【環境の原因】
・時差や睡眠時間の変化によるもの。
・パソコンやスマートフォン、コンビニエンスストアなど、光の影響によるもの。
○自分でできる不眠症対策
①睡眠にこだわらない
睡眠時間こだわり過ぎて寝ようと強く思うほど、寝つきが悪くなる時があります。寝るときはなるべく考えないようにしましょう。
②朝日を浴びる
朝起きてすぐに太陽の光を浴びると、体内時計がリセットされて夜に眠気がくるようになります。
③半身浴をする
40℃くらいのぬるま湯に20分~30分間、半身浴をすることにより、副交感神経が優位になり、カラダがリラックス状態になります。
④運動習慣をつける
適度な運動は疲労感がでて睡眠を誘います。全身の筋肉が柔軟になるほど血液循環は良くなり体調を整えやすくなります。
ただし、運動をし過ぎて、反って睡眠障害になることもあるので、やり過ぎには注意しましょう。
⑤トリプトファンを含む食物を摂取する
トリプトファンは、不眠に効果が期待できる成分で、不眠症以外にも、うつ病や美肌、鎮痛効果にも期待できます。
バナナ、豆乳、牛乳、ヨーグルト、プロセスチーズ、ひまわりの種 、アーモンド、肉類、赤身魚、糸引納豆、すじこ、たらこ、そばなど。
⑥ツボを刺激する
不眠症のツボに「失眠」と「安眠」があります。
「失眠」…足裏のカカト部分のちょうど中央にあります。「失眠」は市販されている台座灸などで温めると良いでしょう。
「安眠」…耳の後ろの下に向かって尖っている骨(乳様突起)の出っ張りから、 およそ指の幅一本分下にある部分にあります。「安眠」は軽く押したり擦ったりする感じで刺激するといいでしょう。
○伝統鍼灸医学では
東洋医学の考え方のひとつに、
五臓(肝・心・脾・肺・腎)の調和
があります。
五臓は、異なる働きを持っていて、連係し、制約し、助け合いながら、生命を維持する為に必要な基本物質である「気」や「血」「津液」「精」をつくり、全身に送っています。
つまり、五臓が正常に機能し調和することが、こころやカラダが健康に活動するための前提条件となります。
この五臓の調和が崩れると、病になると考えられており、睡眠障害もこの五臓の調和が崩れた為になるとされます。
当院の鍼灸治療はこの五臓の調和を保つことを心掛けて施術をしています。
伝統的な診断法である、
四診 “望(ぼう)見る。聞(ぶん)聴く。問(もん)問う。切(せつ)触わる”
を駆使することにより、五臓の変調を見極め、カラダにとって適切なツボに鍼やお灸で刺激することができます。
睡眠は生命活動にとってはなくてはならないものであり、体調を整えるうえで欠かせないものです。
良い睡眠を得て、健康なカラダを維持しましょう。
鍼灸院・至
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